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なぜ口内炎は巨大化してしまうのか
口の中にできる白いできもの、口内炎。多くの人が経験するありふれた症状ですが、時としてそれは通常サイズをはるかに超え、私たちの日常を脅かす「でかい口内炎」へと変貌を遂げます。直径が1センチを超え、クレーターのように深くえぐれたその姿は、見た目の不快さもさることながら、激しい痛みを伴います。なぜ、たかが口内炎がこれほどまでに巨大化してしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。最も大きな原因として考えられるのが、体の免疫力の極端な低下です。過労や睡眠不足、精神的なストレスが長期間続くと、私たちの体は外敵から身を守る力が著しく弱まります。すると、普段は問題にならないような口の中の常在菌や、粘膜にできたほんの小さな傷に対して、体の防御反応が過剰になったり、逆に修復能力が追いつかなくなったりします。その結果、炎症がなかなか収まらず、じわじわと範囲を広げ、深さを増していくのです。栄養不足、特に粘膜の健康を維持するために不可欠なビタミンB群や鉄分、亜鉛の欠乏も、口内炎を巨大化させる大きな引き金となります。粘膜そのものが弱っているため、傷つきやすく、一度できた傷が治りにくい状態に陥ります。そこに、不適切な食生活や物理的な刺激が加わることで、炎症はさらに悪化の一途をたどるのです。また、物理的な刺激が継続することも、口内炎を巨大化させる要因です。例えば、尖った歯や不適合な被せ物が常に同じ場所を刺激し続けたり、無意識のうちに歯で同じ場所を噛んでしまったりすると、傷口が治る暇なく炎症が続きます。小さな傷が治りかけるとまた傷つく、という悪循環が、結果として大きく治りにくい、でかい口内炎を育ててしまうのです。でかい口内炎は、単にサイズが大きいというだけでなく、痛みの質も、治癒にかかる期間も、小さなものとは比較になりません。それは、あなたの体が発している極めて強い危険信号です。そのサインを見逃さず、ただの口内炎と侮ることなく、その根本原因と向き合うことが何よりも重要になります。