医療
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詰め物の下で虫歯が再発した私の体験記
数年前、奥歯にできた小さな虫歯をコンポジットレジンで治療してもらいました。見た目も白く、どこを治療したか分からないほどの仕上がりに、当時はとても満足していました。治療後は特に痛みもなく、すっかりその歯のことは忘れて快適に過ごしていたのです。しかし、二年ほど経った頃から、デンタルフロスをすると、その歯の辺りで決まって糸が引っかかるようになりました。最初は気のせいかと思いましたが、だんだんと頻度が増え、たまに冷たいものがしみるような感覚も。それでも大きな痛みはなかったので、歯医者に行くのを先延ばしにしてしまっていました。そんなある日、硬いナッツを噛んだ瞬間、治療した歯にピキッという嫌な感覚が。鏡で見ても何ともなっていませんでしたが、不安になって、ようやく重い腰を上げて歯科医院へ向かいました。レントゲンを撮り、口の中を診てもらった先生から告げられた言葉は衝撃的でした。「詰め物の下で、結構大きく虫歯が広がっていますね」。見た目にはほとんど分からなくても、レジンと歯の間のわずかな隙間から虫歯菌が侵入し、中で静かに進行していたのです。フロスが引っかかっていたのは、その隙間が大きくなり始めていたサインだったのでした。結局、古いレジンをすべて外し、神経の近くまで広がっていた虫歯を削るという、初回よりもずっと大掛かりな再治療が必要になりました。この経験を通じて私が学んだのは、治療した歯こそ、より注意深くケアする必要があるということ、そしてフロスの引っかかりや、かすかなしみといった小さなサインを見逃してはいけないということです。痛みがないから大丈夫、という自己判断が、いかに危険かを痛感した出来事でした。