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下唇にできた口内炎の個人的な闘いの記録
またやってしまった、という感覚と共に朝を迎えました。下唇の内側にできた、あの白くて丸い厄介者。口内炎です。話すたびに、食事をするたびに、じくりとした痛みが走ります。この小さな炎症が、これほどまでに日常生活の質を下げるとは、経験したことのある人にしか分からない苦しみでしょう。私の場合は特に、疲労が溜まったり、少し無理をしたりすると、まるで体のサインのように決まってこの場所に現れるのです。最初のうちは、ただの違和感です。舌で触れると少しざらついていて、何かができ始めているな、という予感。そして半日もすれば、はっきりとした白い円になり、その周囲が赤く腫れあがります。ここからが本当の戦いの始まりです。食事はまさに試練の時間。醤油や味噌などの塩分が強いものはもちろん、柑橘系の酸味、香辛料の刺激は、傷口に塩を塗り込むような激痛を伴います。そのため、口内炎ができている間の私の食生活は、お粥やうどん、豆腐といった、味も刺激も穏やかなものに限定されてしまいます。熱いものも染みるため、少し冷ましてからでないと口に運べません。栄養が偏りがちになるのも悩みの種です。ビタミン不足が原因の一つとも言われているのに、そのビタミンを多く含む果物が食べられないというジレンマ。サプリメントに頼らざるを得なくなります。何よりも辛いのは、会話を楽しめないことです。口を動かすこと自体が痛みを伴うため、自然と口数が減り、笑顔もこわばってしまいます。仕事で人と話す機会が多い私にとって、これは深刻な問題です。相手に不愛想な印象を与えていないか、常に気を遣ってしまいます。痛みのピークはできてから二、三日後。そこを乗り越えれば、少しずつ痛みは和らぎ、白い部分が小さくなっていくのが分かります。この回復の兆しが見えたときの安堵感は、何物にも代えがたいものがあります。この小さな敵との戦いは、一週間から十日ほど続きます。その間、私は自身の生活習慣を省みるのです。睡眠は足りていたか、栄養バランスは乱れていなかったか、ストレスを溜め込みすぎていなかったか。口内炎は、私に休息と自己管理の重要性を教えてくれる、痛みを伴うメッセンジャーなのかもしれません。