下唇の内側に口内炎ができてしまった時、頼りになるのが薬局やドラッグストアで購入できる市販薬です。しかし、いざ棚の前に立つと、塗り薬、貼り薬、スプレーなど様々な種類があり、どれを選べば良いか迷ってしまう人も少なくありません。それぞれの薬には特徴があり、症状や生活シーンに合わせて適切に選ぶことが、効果的なケアへの第一歩となります。まず、最もポピュラーなのが「軟膏」や「ジェル」などの塗り薬タイプです。これらは、患部に直接塗布することで、抗炎症成分や殺菌成分を届け、痛みを和らげ治癒を促進します。最大のメリットは、口内炎の大きさや形に関わらず、広範囲に塗り広げられる点です。できたばかりの小さな口内炎から、少し大きくなってしまったものまで柔軟に対応できます。ただし、唾液で流れやすいというデメリットもあるため、食後や就寝前など、しばらく口を動かさないタイミングで塗るのが効果的です。次に、近年人気が高まっているのが「パッチ」と呼ばれる貼り薬タイプです。これは、薬の成分が含まれた小さなシールを患部に直接貼り付けるものです。最大の利点は、物理的に患部を保護できることです。食事や会話の際の刺激から口内炎を守ってくれるため、日中の痛みを大幅に軽減できます。薬の成分が唾液で流れにくく、長時間効果が持続するのも魅力です。下唇の内側のような、歯が当たりやすい場所にできた口内炎には特に適しています。ただし、貼る際に少しコツが必要で、患部が唾液で濡れていると付きにくいことがあります。ティッシュなどで軽く唾液を拭き取ってから貼ると良いでしょう。そして、手軽さが魅力なのが「スプレー」タイプです。シュッとひと吹きするだけで、薬液を患部に届けることができます。手が届きにくい場所や、複数の口内炎ができてしまった場合に特に便利です。殺菌成分や抗炎症成分が含まれており、口内全体のケアにもつながります。塗り薬や貼り薬のように、指で直接患部に触れる必要がないため衛生的です。ただし、成分が局所に留まりにくい面もあるため、他のタイプに比べて効果の持続時間は短い傾向があります。こまめにスプレーする必要があるかもしれません。自分の口内炎の状態と、どのようなシーンで痛みを感じるかを考えてみましょう。
口内炎の市販薬を症状に合わせて選ぶ方法