2025年9月
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ベロにできた黒い点は一体なに?
ある日ふと鏡を見て、自分のベロ、つまり舌に黒い点やシミがあるのを見つけたら、誰でも驚き、心配になることでしょう。普段はピンク色のはずの舌に現れた黒い色は、何か悪い病気のサインではないかと不安に駆られるかもしれません。しかし、舌に黒い点ができる原因は一つではなく、その多くは心配のいらない良性のものです。最も一般的に見られる原因の一つが、「血豆(けっとう)」、すなわち内出血です。食事中に誤って舌を強く噛んでしまったり、硬い食べ物が当たったりすることで、舌の表面近くにある毛細血管が切れ、血液が皮下に溜まって黒っぽい点として見えるのです。これは体の他の部分にできる青あざと同じ原理で、通常は数日から一週間程度で自然に吸収され、消えていきます。また、食べ物や飲み物による「色素沈着」もよくある原因です。コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、チョコレートなど、色の濃い飲食物を頻繁に摂取していると、その色素が舌の表面にある糸状乳頭という小さな突起の間に沈着し、黒い点やシミのように見えることがあります。これは病的なものではなく、舌のクリーニングや時間の経過とともに薄れていきます。さらに、薬の副作用として舌が黒っぽくなることもあります。特定の抗生物質や胃薬、うがい薬などが原因となることが知られており、薬の服用を中止すれば元の色に戻ることがほとんどです。その他にも、舌の表面の細胞が剥がれ落ちるサイクルが乱れ、糸状乳頭が異常に伸びて角化し、そこに細菌や色素が付着して黒い毛が生えたように見える「黒毛舌」という状態もあります。このように、舌の黒い点の原因は多岐にわたりますが、その多くは一時的なものや良性のものです。しかし、稀に悪性の病気の可能性もゼロではないため、注意深く観察することが重要です。