医療
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舌の黒い点は血豆かもしれない
舌に突然現れた黒い点、その最も可能性の高い原因の一つが「血豆」、医学的には血腫と呼ばれるものです。血豆と聞くと、指を挟んだ時などにできるものを想像しますが、それと同じものが舌にもできるのです。舌は筋肉の塊であり、その表面には無数の毛細血管が張り巡らされています。食事中、特に急いで食べている時や、会話に夢中になっている時に、誤って自分の舌をガリッと強く噛んでしまった経験は誰にでもあるでしょう。この時、歯が舌の組織を傷つけ、内部の毛細血管が破れることで出血が起こります。しかし、舌の表面の粘膜は比較的丈夫なため、すぐに出血が外に流れ出さず、皮下に血液が溜まってしまうことがあります。この溜まった血液が、粘膜を通して透けて見えるため、赤黒い、あるいは紫黒い点やシミとして認識されるのです。硬いお菓子や魚の骨などが舌に刺さった場合も、同様のメカニズムで血豆ができることがあります。舌にできた血豆は、通常、痛みはほとんどないか、あっても軽い圧痛程度です。大きさは米粒大のものから、小豆大くらいまで様々ですが、境界が比較的はっきりしていることが多いです。多くの場合、この血豆は特別な治療をしなくても、体の自然な治癒力によって数日から長くても二週間程度で溜まった血液が吸収され、跡形もなく消えていきます。指で触ってみて少しぷっくりとした感触があり、数日前に舌を噛んだ記憶があるならば、その黒い点は血豆である可能性が非常に高いでしょう。ただし、血豆が非常に大きい場合や、なかなか消えずに長期間残っている場合、あるいは繰り返し同じ場所にできるような場合は、他の病気の可能性も考えられるため、一度、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科で専門医に診てもらうとより安心です。